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君よ、君よ、夢は違えど、愛しき君よ。夢を夢で終わらせないため、どうか私の気持ちをわかって。

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君という存在を、いつかは失うと思っていた。
時期なんて気にすることもできなかった。

もう終りなのかな。

そうして少し近づくけれど、君の背中にはたどり着けない。
失って、取り戻せる確率は、無に等しい。

悲しさとか、思える暇もない。

ならない電話握りしめて、一人夜を明かした。
君からのコール音、今日もならずに無音の世界。

手のひらの電話が砂となり、僕に届く。
指の隙間から逃げゆくさまを、静かに眺めるしかできない。

握りこぶしの中に、わずかに残った砂。
君が残した僕への思いなんだろうと、一人で思う、想う。

地下へと続く階段から、わずかに見えた光も、今じゃ何も見えない。


どうして逝ってしまったのかなんて、問うべきことでもなんでもなかった。

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消えて落ちてまた消えた。


僕という存在が消えた時、君の口からいってきの水滴。
赤と透明の混ざった水滴。

赤は僕の血で、透明は君の涙で。


愛しい、愛いしい、君。
愛しいを通り過ぎればそれは狂った愛なのか。


涙に消えた僕は、赤を喰う君を愛す。


心に開いた隙間を埋めるように、君は僕を喰らった。
泣きながら、血をすする君はかなしい。かなしい。



埋まる事のない隙間と知っているのに君は僕を殺して食べた。

別に恨んでいるわけじゃない。
君と一つになれて嬉しいんだよ。



壊れて、請われて、乞われて、恋われた。
どうして、なんてそんな理由もこわれてる。

どれがどれなのか、知っているのは僕だけだけど。


くるくるくると世界は回り

くるくるくると人形は踊る

悲しみと、絶望と、喜びと、幸を乗せて。


可愛い人形達の首から上は全て見当たらない。
表情を浮かべる人形はいらないから、すべて頭を切り取った。

ぼたぼたぼた

悲鳴と歓声。
歓喜と絶望。

白いドレスに御揃いの白いヘッドドレスは、赤く紅く色を変えた。
綺麗に着飾った人形は、日に日に色をなくし、艶をなくし、醜く変わる。

醜い人形に興味なんかないわ。

ごろりと、棄てられる。
可燃ごみか生ごみか。
人形は燃やせるのか、それとも、人形だから燃やせない?

異臭と狂気。


人形に顔はいらない。
すべて悲しそうで恐怖に満ちた顔をしているから。

嬉しそうな顔をした人形はいない。


使い捨ての人形よりも、生きた人形の方がいいの?
言う事を聞かない人形よりも、何も言わない大人しい人形の方がいいの?


全て違って、全て正解。
回りまわって全て不正解。

くるくるくる、と、風車が回り。
くるくるくる、と、バレエ人形が回り。
くるくるくる、と、目が回る。


冷たく堅い箱の中。
真っ暗な闇と同化している私。

くるくるくる、と、脳が回り。
くるくるくる、と、全てが回る。


なにが外れでなにが当たり?
私は外れで、周りが当たり?

全て違って不正解。


答えは冷たく堅い箱の中。
逝くまで一人、泣いても一人で、人形はもういない。

全て家族に帰って、還った。


くるくるくる、と、乾いた音だけが脳を回った。


僕の前以外では鳴かないで。
僕の前では泣かないで。

音にすれば一緒の音で、漢字に直せば違う意味。

君の泣く姿は見たくないけど、鳴く姿は死ぬほど見たい。
だから、鳴いて、鳴いて、狂おしいほど鳴いてください。


小さな水滴が床にしみを作るのを、僕は見ないふりをした。
泣かないという約束を破ったのは君だから。

静かに泣く君の顔を、黒いブーツのつま先で蹴り付ける。
鈍い音、鉄臭い臭い、赤い色。
全て僕に届くけど、いらつく僕は全て見ないふりをした。


いたい、痛い、居たい、遺体。
君はそういって泣きじゃくった。

僕は嘲笑って君の鳴く姿を視界に捕らえては黒いブーツで体を踏みつける。

可哀想なほど赤く腫れた頬に、傷ついた背中。
汚い君の中で数少ない綺麗な場所。

僕が教え込んだ綺麗な場所に触れるたび、君は泣いて鳴いた。


いたい、いたい。
やがて黙り込む君の背中を蹴り上げれば、抵抗無しに床へと沈む。

やり過ぎた?犯りすぎた?殺りすぎた?
どれにしたって君はいたい。

静かに佇みいたいとないた。


いたい、遺体。
ないた、鳴いた、泣いた。


その小奇麗な顔を、ぶん殴ってぼろぼろにしてやりたい。
そうすれば僕も満足するし、君は喜ぶでしょう?

酷くされれば鳴いて喜ぶ浅ましい君。
どうして僕はそんな君を愛してしまったのだろう?

気付けないまま、時は過ぎて。
今では僕が抜け出せない。


まるで君は薬のようだ。
中毒性のある、危ない猛毒。

なくなれば禁断症状。
妄想?幻想?想像?現実?

どれが本物の君なのか区別がつかない。
笑っちゃうね。

君の愛してるなんて言葉も本当は偽りかもしれない。

愛してる?愛してない?
ことばなんて、伝わらないまま。

時が過ぎ、君はもう過去の人。
僕の腕の中で悶えて逝ってしまった。



ぐるぐると、目が回って、体が崩れて、息ができなくて。

漸く気付いた。

薬のようじゃなく、本物の薬。
依存性のある、麻薬物。

陸に揚げられた魚のように、のた打ち回って薬を探す。
これははずれ。あれもはずれ。

あぁ、あたりをもっているのは君だけだった。
追いかける、君を追いかける。

どうせもう直ぐ僕も逝くから。
薬の用意をしていてね。

そうすれば僕は楽になるし、君も嬉しいだろう?



現実から閉ざされた暗い部屋で、薬を探して今日も呻く。


ねぇ、それは誰だった?