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君よ、君よ、夢は違えど、愛しき君よ。夢を夢で終わらせないため、どうか私の気持ちをわかって。

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僕の前以外では鳴かないで。
僕の前では泣かないで。

音にすれば一緒の音で、漢字に直せば違う意味。

君の泣く姿は見たくないけど、鳴く姿は死ぬほど見たい。
だから、鳴いて、鳴いて、狂おしいほど鳴いてください。


小さな水滴が床にしみを作るのを、僕は見ないふりをした。
泣かないという約束を破ったのは君だから。

静かに泣く君の顔を、黒いブーツのつま先で蹴り付ける。
鈍い音、鉄臭い臭い、赤い色。
全て僕に届くけど、いらつく僕は全て見ないふりをした。


いたい、痛い、居たい、遺体。
君はそういって泣きじゃくった。

僕は嘲笑って君の鳴く姿を視界に捕らえては黒いブーツで体を踏みつける。

可哀想なほど赤く腫れた頬に、傷ついた背中。
汚い君の中で数少ない綺麗な場所。

僕が教え込んだ綺麗な場所に触れるたび、君は泣いて鳴いた。


いたい、いたい。
やがて黙り込む君の背中を蹴り上げれば、抵抗無しに床へと沈む。

やり過ぎた?犯りすぎた?殺りすぎた?
どれにしたって君はいたい。

静かに佇みいたいとないた。


いたい、遺体。
ないた、鳴いた、泣いた。
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その小奇麗な顔を、ぶん殴ってぼろぼろにしてやりたい。
そうすれば僕も満足するし、君は喜ぶでしょう?

酷くされれば鳴いて喜ぶ浅ましい君。
どうして僕はそんな君を愛してしまったのだろう?

気付けないまま、時は過ぎて。
今では僕が抜け出せない。


まるで君は薬のようだ。
中毒性のある、危ない猛毒。

なくなれば禁断症状。
妄想?幻想?想像?現実?

どれが本物の君なのか区別がつかない。
笑っちゃうね。

君の愛してるなんて言葉も本当は偽りかもしれない。

愛してる?愛してない?
ことばなんて、伝わらないまま。

時が過ぎ、君はもう過去の人。
僕の腕の中で悶えて逝ってしまった。



ぐるぐると、目が回って、体が崩れて、息ができなくて。

漸く気付いた。

薬のようじゃなく、本物の薬。
依存性のある、麻薬物。

陸に揚げられた魚のように、のた打ち回って薬を探す。
これははずれ。あれもはずれ。

あぁ、あたりをもっているのは君だけだった。
追いかける、君を追いかける。

どうせもう直ぐ僕も逝くから。
薬の用意をしていてね。

そうすれば僕は楽になるし、君も嬉しいだろう?



現実から閉ざされた暗い部屋で、薬を探して今日も呻く。


ねぇ、それは誰だった?